映画雑感ー本屋時々映画とドラマ

映画・ドラマレビューばかり書いている書店員のよもやま話

イカイカシャコシャコ(『FRIED DRAGON FISH』岩井俊二)

岩井俊二監督の『FRIED DRAGON FISH』で、深海魚のカラアゲをワイルドに食べる美少年・浅野忠信を観ながら、

もくもくとシャコを剥いて、食べていた。

人も魚も、なんの躊躇もなく殺せる上に、無造作なのにあんなにお洒落な部屋で過ごしちゃってる(壁の時計とか、ステキ)全能感溢れる彼は、水槽に囲まれて、女の子と海を見にいくことを夢見る。

水槽の魚と同じように、彼もまた、部屋というさらに大きな水槽に入れられて、外の世界を窓から見下ろしていたところに、芳本美代子演じるプーが外の空気と共にハツラツと飛び込んでくることで、世界の色はちょっとだけ変わる。

彼が躊躇なく、”ペットじゃなくて僕の友達”の深海魚を捕らえ、台所に向かうように、私もまた、シャコを・・・・。

なんてかっこいいことはなく。

 

小さいシャコ。スーパーで298円の2割引。

放り込むと鍋一杯になったシャコはなんだかグロテスクで、モシャモシャと動き出しそうで、頭とシッポを調理バサミで切るのもなんともなんとも、ムカデと戦っているかのようで。

ん?

ムカデを切断したことはないけれども。

あまりにも小さいものは流しで剥きながら口に入れたり。口に入れたり。

しかし美味。小さいのに濃厚。エビのようでカニのようで。

 

お酒は、冬だから、にごり酒。チビチビとチビチビとチビチビと。

あとは400円が半額で200円になっていたホタルイカの醤油漬け。

前に住んでいた町のものが恋しくて、この前1日と数時間のお休みをもらって買いに走った米味噌の、お味噌汁。

 

半額と、変わった名前の魚に弱い。さらには変わったビジュアルがついてくると、調理方法も考えずに買ってしまう。冷蔵庫にナゾの食材が増える。

あとで流しの前で当惑する。

 

なぜなら煮魚もロクに作れない。あろうことか煮魚なのに、柔らかい白身魚をひっくり返してクズクズにした上にフライパンごと黒焦げにしておじゃんにすることもある。

 

おでんは寝かせたら寝かせるほど美味しくなると聞いて、油揚げともちきんを山ほど入れて長時間煮込み続けたら、当然の事ながら、汁がなくなった。

 

インスタ映えする至れり尽くせりのおしゃれキャンプ(グランピング?)なんて行こうものなら、用意された具材を入れて挟んで焼けばいいはずの朝ごはんのホットサンドが焼けたのかわからなくて、本当に見事な黒焦げ状態。墨状態なのに、ホットサンドメーカーのブランド名のみが浮き出る始末。

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  焦がしてばっかりじゃないか。